
雪止めを設置したにも関わらず、屋根から雪が滑り落ちてしまうという事態は、積雪地域にお住まいの方々にとって、安全面や家屋への影響から、非常に心配となる状況です。せっかく対策を講じたはずなのに、なぜ雪が落ちてしまうのか、その具体的な原因や、雪止めの効果が発揮されなくなるメカニズムを理解することは、より的確な安全対策を講じる上で不可欠となります。屋根の形状、雪止めの性能、そして積雪の状況など、様々な要因が複雑に絡み合うことで、予期せぬ雪の落下が発生する可能性があります。
⚫️雪止め設置でも雪が落ちる原因⚫️
1. 雪止めの種類や耐荷重不足
屋根に設置される雪止めには、金具タイプ、ネットタイプ、あるいはそれらを組み合わせたものなど、様々な種類が存在し、それぞれに構造や雪を保持できる最大荷重が定められています。しかし、製品によっては、近年頻繁に発生する記録的な大雪や、屋根の形状に起因する雪の滑りやすさに対して、その設計上の耐荷重が不足している場合があります。特に、経年劣化により強度が低下していたり、本来想定されている設置方法から逸脱していたりすると、積雪の重みが集中した際に破損したり、屋根材から剥がれたりして、雪止めとしての機能を失ってしまうことがあります。
2. 屋根の形状や設置方法に問題
屋根の形状は、雪の滑りやすさや雪止めの効果に大きく影響します。例えば、屋根の勾配がきつい場合や、棟から軒先までの距離が長い屋根では、雪が滑り落ちようとする力が強くなり、雪止めに掛かる負担が増大します。また、雪止めの設置間隔が広すぎたり、雪が溜まりやすい箇所からずれた位置に設置されていたりすると、雪が雪止めの手前で滑り出してしまう原因となります。さらに、屋根材との固定が不十分な場合、積雪の重みによって雪止め自体が損傷したり、固定部分が緩んだりして、十分な保持力を発揮できなくなることも考えられます。
3. 想定以上の積雪量や融解速度
近年、気候変動の影響もあり、過去の平均値を大きく超えるような記録的な大雪に見舞われる地域が増加しています。設置されている雪止めが、過去の一般的な積雪量を基準に選定・設置されている場合、想定をはるかに超える積雪深さや雪の総重量が発生した際には、その耐荷重能力の限界を超えてしまい、雪を保持できなくなることがあります。加えて、積雪後の気温上昇による融解の進行も、雪止めの機能に影響を及ぼします。雪が水分を含んで重みを増したり、雪と屋根材の間に水の層ができて滑りやすくなったりすると、雪止めの保持力が奪われ、意図せず雪が滑落する原因となり得ます。

⚫️雪止めの限界を超える屋根の条件⚫️
1. 長い屋根や急勾配の屋根は雪が滑りやすい
屋根の設計上の特性として、軒先から棟までの長さが長い場合や、屋根の勾配が急であるほど、積雪は滑り落ちやすくなります。屋根が長ければ長いほど、雪の塊にかかる重力による滑り落ちようとする力が、雪止めに対して横方向に作用する張力としてより大きく働きます。また、勾配がきつい屋根ほど、雪は容易に滑り出し、一度滑り始めるとその勢いは増していくため、雪止めの保持能力を超えてしまうリスクが高まります。これらの条件を持つ屋根では、雪止めの設置密度を高める、あるいはより強度の高い製品を選定するなど、特別な配慮が必要となります。
2. 積雪量が多いと雪止めの耐荷重を超える
冬の寒さが厳しく、積雪が頻繁に起こり、かつそれが十分に融解せずに屋根の上に蓄積されていくような地域や状況では、雪止めの耐荷重能力を容易に超えてしまいます。雪は積もるほどその重量が増加し、特に水分を含んだ湿った雪の場合は、乾燥した雪と比べて格段に重くなります。屋根一面に堆積した雪の総重量が、個々の雪止めの強度や、それらを固定している屋根材、さらには建物の構造が安全に支えられる限界値を超えた瞬間、雪止めは破損したり、屋根から剥離したりする可能性が生じます。これにより、本来雪の落下を防ぐための装置が、逆に雪の滑落を招く要因となってしまいます。
3. 融解による重み増加で雪止めに負荷
積雪が一定期間経過すると、日中の気温上昇や太陽光の影響を受けて雪の表面が融解し始め、雪は水分を吸収して重みを増していきます。この融解水が雪の内部に浸透することで、乾燥した状態の雪よりもはるかに重くなり、雪止めの保持能力に大きな負荷がかかります。さらに、屋根材と雪の間に水の層が形成されると、雪と屋根材との間の摩擦が著しく低下し、雪が滑りやすくなる原因となります。このように、水分によって雪の重量が増加し、かつ滑りやすくなった複合的な状況下では、雪止めの保持力だけでは対応しきれなくなり、雪の塊が滑り落ちやすくなるのです。
⚫️まとめ⚫️
雪止めが設置されているにも関わらず屋根から雪が落ちてしまう原因は、雪止めの種類や十分な耐荷重の有無、屋根の形状や設置方法の不備、そして想定を超える積雪量や融解による重量増加といった、複数の要因が複合的に絡み合っていることが考えられます。特に、屋根の長さや勾配がきつい場合、積雪の総重量が雪止めの限界を超えるほどの量になった場合、あるいは雪が融解して重みが増し滑りやすくなった状況下では、雪止めの機能が失われやすくなる傾向があります。これらのメカニズムを理解し、ご自宅の屋根の状況を冷静に分析した上で、必要に応じて雪止めの増設や専門家への相談を検討することが、安全で安心な冬を過ごすために不可欠な対策と言えるでしょう。屋根工事の修理・ご相談なら川上塗装工業へ。
お客様のお家は、私たちにとっては100軒ある中の1軒の工事です。しかし、お客様にとってはたった1軒しかない大切なお家です。そのことを常に意識し、大切なお家に安心して長く住んでいただくために、心を込めて仕事をさせていただきます。だからこそ、譲れないこだわりを持って工事をさせていただきます。岩手県盛岡市・滝沢市・矢巾町周辺で雪止め設置を検討している方は、ぜひ川上塗装工業にお問合せください。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!